読書記録

本の感想や書評、粗筋、引用などの読書記録。1980年生まれ。

『理系脳で考える』

 

AIの台頭に伴い仕事がなくなる恐れがある昨今である。著者によると、それに対抗するためには理系脳である必要があるという。理系脳であれば、科学技術の進化が加速していく中でもそうした変化に対応していくことができるからだ。本書はそんな理系脳の特徴と思考法、その鍛え方を元マイクロソフト日本法人の社長が語ったもの。バリバリ文系脳の私だが、そうした人も今から理系脳に変わることは可能という。

実は本書を読むのは2度目であり、最初に読んだ時よりもよりインパクトを受けた。だからこうして書いている。本書の中でアウトプットの重要性が指摘されていてそれに同意したこともこうして慌てて書いている理由である。実際に読んでブログに書いた本とそうでない本とでは消化具合がだいぶ違うように思う。

本書で提示される理系脳の条件は4つある。新しいものに興味があり、変化が好きであること。刹那主義で未来志向。コミットの範囲が明確。コミュニケーションが合理的。こうした理系脳の特徴を読むと、生きるのが楽になりそうなものばかりであることに気がつく。逆に言えば、文系脳で生きるのは苦しいのである。

刹那主義に生きれば、集中力が高まり、今に生きることができる。未来にワクワクでき、過去を憂うこともない。コミットする範囲を限定すれば、余計なことに悩むこともなくなる。自分のできることに集中し、自分のコントロール外のことに一喜一憂することはない。気にするのは最善を尽くせたかどうかだけだ。自分の人生に影響のないことにコメントするなど、無駄なエネルギーを消費することもない。コミュニケーションにおいてもその本質である伝える内容を重視し、人にどう思われるかに思い悩むことはない。

こう考えると理系脳というのは、身の程をわきまえた生き方のように思う。無駄を嫌い、事実を過不足なく把握し、自分にできることを淡々と行って行く。その謙虚さが、楽観的な生き方や他者への寛容に繋がり、生きるのを楽にさせてくれるのだと思う。