本読み

読書記録。1980年生まれ/男

『ちょっと今から仕事やめてくる』

 

ちょっと今から仕事やめてくる (メディアワークス文庫)

ちょっと今から仕事やめてくる (メディアワークス文庫)

 

書名に引かれて手に取ってみた本書は小説。帯にはもっと引かれる言葉があった。言葉というよりも行動予定表である。本書の中では、それが歌の歌詞として出てくる。それを引用。曲名は、「一週間のうた」

月曜日の朝は、死にたくなる。
火曜日の朝は、何も考えたくない。
水曜日の朝は、一番しんどい。
木曜日の朝は、少し楽になる。
金曜日の朝は、少し嬉しい。
土曜日の朝は、一番幸せ。
日曜日の朝は少し幸せ。でも、明日を思うと一転、憂鬱。


こんな絶望歌を作詞してしまう主人公は、いわゆるブラック企業に勤める若手サラリーマン。向こう見ずになっている主人公の元へ、一人の救世主が現れるところから、事態は急変。

それでも仕事でミスをする主人公。そして偶然主人公と出会い、その支えとなる救世主。この救世主は一体誰やねんと思いながら読者は本書を読み進めることになる。

そして、なんと言っても書名になっているあの言葉。内容の深刻さにも拘らず、この言葉の軽さに痺れる。会社を辞めるシーンで吐く主人公のセリフに胸がスカッとする思いがした。

あとがきによれば本書が著者の処女作とのこと。あとがきの2ページだけで著者の性格の良さを感じた。本の素晴らしさの比喩が素敵だったので引用。

私にとって、本は最高のエンターテイメントで、本屋はテーマパークと同じくらい楽しい場所です。そのような場所の一端を担い、会ったこともない誰かと気持ちを共有できるなんて、まさに夢のような出来事です。とても嬉しくありますが、同時に少し怖くもあります。