読書記録(書評・感想)ブログ

本の感想や書評、粗筋、引用を自由に書く読書記録。1980年生まれ。

『あの人はなぜ、東大卒に勝てるのか』

 

あの人はなぜ、東大卒に勝てるのか―――論理思考のシンプルな本質

あの人はなぜ、東大卒に勝てるのか―――論理思考のシンプルな本質

 

書名から察するに東大卒でなくても大丈夫という論を予想しましたが、そうではありませんでした。むしろ、東大卒の方がアドバンテージがあるのだということを認める内容となっていました。

ビジネスで競争相手に負ける場合の多くは、自分でも思いつけたはずなのに、それを思いつくことが出来なかった、あるいはそのスピードが遅かったためだそうです。そういった負け(本書では、「しまった」となっていました)を防ぐために発想の幅(質)をどのように広げていけばいいのかが本書のテーマでした。

アイデアは、直感ではなく論理思考から生まれると著者は言います。直感を期待出来るのは一部の天才だけであり、凡人には出来ないとありました。そこで論理思考です。論理思考とは、筋道を明確にして考えることと、言葉を明確にして考えることの二つです。そしてこの考えるという作業は、書くことと同義となっていました。つまり、頭の中でうんうんと唸っている状態は思考していないのと同じことになります。

思考をする上では意識的に対象を狭めることが重要とありました。ビジネス書でいうフレームワーク思考のことです。フレームワークを作ることで、思考の範囲を限定しながらも、その思考の範囲外も意識化することができるのだそうです。

要するに、書くこと(ロジックツリーやフレームワークを使うこと)で自分がどこまで考えたのかがはっきりし、バカの壁にも気づくようになるということです。そしてそのバカの壁が入りにくくなることで発想は広がっていきます。本書を読んで「バカの壁」ってそういういことだったのかと今更ながらに理解しました。

言葉を正確に使うことの重要性は認識していましたが、著者が言うようにもっと辞書を引く習慣をつけたいなと思いました。 語彙が豊富であることで、難しいことでも平易な言葉で説明できることが可能になるとの実例が示されていました。また、三島由起夫のエピソードが二つでてくるのですが、この人は本当に天才だなと感じました。