本読み

読書記録。1980年生まれ/男

『修身教授録』

 

修身教授録 (致知選書)

修身教授録 (致知選書)

 

森信三が昭和12年に現大阪教育大で先生の卵に対して行った授業を本にしたものが本書です。教師を目指す人だけではなく、生きている人みんなに役立つ内容となっていました。気になった箇所や心に響いた箇所に付箋を貼ったのですが、付箋を貼るのが少し忙しかったです。

講義は格調高く、それでいて森自身はとても紳士であり、こんな人ならばあまたの生徒から尊敬をされていたことでしょう。 言葉には重みがあり、比喩は的確でした。人生の価値を知らなければ宝の持ち腐れですよという内容を次のように表現していました。 

ところが私の考えでは、われわれ人間は自分がここに人間として生をうけたことに対して、多少なりとも感謝の念の起こらない間は、真に人生を生きるものと言いがたいと思うのです。それはちょうど、たとえ食券は貰ったとしても、それと引き換えにパンの貰えることを知っていなければ、食券も単なる一片の紙片と違わないでしょう

仕事をする上でのアドバイスでは、とにかく着手することが大事と言っていました。そして着手したことは一気呵成に仕上げることを勧めています。最初から完璧を目指すのではなくて、とりえあず80点を目指せばいいのだそうです。ドイツの哲学者フィフテも机に向かって仕事を始めるのが一番難しいのだと言っていたことを思い出しました。

何度も繰り返されていたのが、生きる目的の確立、志を確立することの重要性です。また人生がいかに短いのかということも何度も繰り返されていました。今の自分にはこれといって志というものはなく、これまでの人生においても志などというものを持ったことがないような気がします。あって目標くらいでしょうか。

いかに世の中が正直であるのかを説明があるのですが、ロジカルで説得力がありました。世の中が不公平だと思われる人が読めば多いに勇気づけられると思います。正義はいつかは輝きだすとはその通りだと信じたいです。ただし、その真実の正体が表れるのには時間がかかるので、すぐには判断できないのが難しいところでしょうか。

ほかにも、「真面目」に対する著者の見方や「最善観」という新しい概念も面白いと思いました。もっと早くに読みたかった1冊でした。今みたら、アマゾンでも大絶賛でした。