本読み

読書記録。1980年生まれ/男

『「働き方」の教科書』

 

「働き方」の教科書:「無敵の50代」になるための仕事と人生の基本

「働き方」の教科書:「無敵の50代」になるための仕事と人生の基本

 

著者は希代の読書家だ。別の著者の本では、読みたくなる本がたくさん紹介されていた。著者が勧めるのは古典である。その古典をたくさん読み血肉にしてきた著者の洞察力は鋭い。「人間の歴史を振り返ればこうだったんだよ、だからこれからもそうなるんじゃないの」と言う姿には説得力がある。また、「人間は所詮動物に過ぎないのだから、動物がそうならば人間だって同じではないのか」と繰り返される。それに加え、数字、ファクト、ロジックに基づいて意見を述べていく。説得力がないはずがない。

人間にとって大事なのは原理原則だという。プリンシプルである。 

とくに、優れた人の伝記などを読むと、凡人と偉人の違いは、常に原理原則に則って自分の頭で考え、行動できるか否かにあると痛感します。一般に、自分の価値観、思考軸がしっかりしている人ほど、偉大な仕事をしているのです。

どうやって原理原則を見極め、自分の価値感や思考軸を固めるには、常に「学ぶこと」「知ろうとすること」「考えること」が大切であるという。

ユニークなのは、人生が楽しいかどうかの判断基準を喜怒哀楽の総量にしている点。普通は、いいことがあればプラス100、悪いことがあればマイナス100などと考えてしまいがちだけど、著者は違う。著者はその絶対量に注目してマイナス100もただの100と捉え、プラスの100に加えてしまうのだ。感情が揺さぶられることが重要なのであって、心が動かないことこそが最悪であるという発想だ。このように考えることが出来たらいろいろと挑戦できそうだ。

「ビジネスは成果が全て」や「仕事はスピード」「仕事の目的を考える」などというビジネスマンの基本となるものや、就職の際のアドバイスもあり、若いビジネスマンやこれからビジネスマンになる人の参考になる。

一つの仕事について集中して一生懸命考えれば、早く仕上げることができます。複数の仕事を同時平行で進めていると、気が散って集中できなくなり、間違いなくスピードは落ちてしまいます。

そして、仕事の質を高めるには「元気に明るく楽しく」だという。なんだそんなことかと思ってしまいそうだが、その理由がまた的確なのだ。

本書はどうやって働くかというテーマなのだが、所詮仕事は人生の3割の時間に過ぎないのだから、もっと思い切りやったらいいんじゃないのかともいう。仕事とデートならばデートの方が大事に決まっているだろうという姿勢は清々しい。と、読みながら自分の仕事の割合を計算してみると4割もあって頭を抱えたのだが、この大きなマイナスな感情も著者を見習い絶対値としてとらえることにしよう。