読書記録(書評・感想)ブログ

本の感想や書評、粗筋、引用などの読書記録。1980年生まれ。

『第2回電王戦のすべて』

 

第2回電王戦のすべて

第2回電王戦のすべて

 

本書は第2回電王戦をまとめたもの。電王戦を熱心に見た人にとって、手元に置いておきたい一冊だ。5人の棋士が書いた自戦記や先崎学や大崎善生と言った僕の好きな作家が書いた観戦記もある。またニコ生でも中継された対局後のインタビューも掲載されている。なので後で読み返した時、電王戦のあの興奮を再び思い出すことができる。

自戦記では 、出場をすることになった経緯や対局中の心境が描かれている。何人かの棋士は出場を決めたことを、後になって後悔しているようだった。それはソフトがここまで強いとは知らなかったということや、ここまで注目を集めるとは知らなかったからである。となれば、負けるリスクを考えたら尻込みするのが自然である。またコンピュータ対策のために研究時間を割かなければならないのだ。

とりわけ、三浦9段の出場への葛藤が印象に残った。A級棋士に任せるのは酷だから止めた方がいいと思っていたのだが、そんなの関係ねえと屋敷9段の第3回電王戦への登場がまさに今日発表されていた。ニコ生放送で言質を取られていたとは言え、ビックリだ。出場する棋士の大変さが分かったからには彼らを讃えたいし、これを機にもっと将棋が普及すればいいなと思う。

第2回の電王戦では、プロ棋士で勝てたのは阿部4段1人だけであった。しかし、自戦記を読むと、研究を積み重ねればまだまだプロ棋士も勝てるのではないかと思える。実際阿部4段は、他の誰よりも熱心に研究に取り組んでいた。

第3回電王戦では事前にソフトの貸し出しがあるそうで、研究も十分できそうだ。後は、他の4人が誰かということだ。船江5段は本書の中で、ソフト相手には受けの強い人がいいと言っていた。受けの強い人と言ったら、千駄ヶ谷の受け師を思いだすのだが、果たして出るのだろうか。