読書記録(書評・感想)ブログ

本の感想や書評、粗筋、引用などの読書記録。1980年生まれ。

『林真理子の名作読本』

 

林真理子の名作読本 (文春文庫)

林真理子の名作読本 (文春文庫)

 

あいまいな態度を取ることの多かった若かりし林は、ユーミンとの対談でこのように言われてしまう。

「林さんみたいな喋り方をしていると、損をするわよ。あのね、林さん、この世で本当に正しいことなんか何もないのよ。はっきりと断定したことが真実になるのよ」

こう言われた林は物事を断定するようになり、今の林真理子になったようだ。そして、今ではこう言う。

とにかく私は書くことによってマイクを貰ったのである。マイクを貰ったからには、大きな声できっぱりと言いきり、相手を屈伏させなくてはいけないのである。そうならなくては、どうしてアフォリズムが書けるであろうか。

アフォリズムに限らず断言調が多いのが、テレビを見ていての林真理子の印象である。とにかく、はっきりとものをいうのだ。前回の記事で書いた北尾トロは勇気を振り絞って無茶なことを言っていたが、林真理子はその無茶がデフォルトになっているのかもしれない。だとしたら、あの台詞も言えるのか?

このように書き始めたが、本書は林真理子とユーミンとの対談本ではなく、林真理子が感動した本を解説した本である。全部で54冊だが、ランキング形式にはなっていない。

一体どんな本に林は感動をしたのか気になるところ。太宰や村上龍や村上春樹や谷川や三島の本などが選ばれている。外国の作家のものもいくつかあったが、知らない人ばかりだ。自分の好きな本が選ばれていると、なんだか誇らしかった。しかもその解説が面白いのだから、二重の喜びである。また、これから読んでみたい本もいくつかあった。

後半には、林真理子の文章読本のコーナーがある。そこで林の文章論が聞けるのだが、印象に残ったのは上で書いた、断定的に書くようになった経緯である。