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本読み

本の感想や書評、本の案内ブログ、かつ自身の読書記録です。1980年生まれ/男

『実践 日本人の英語』

 

実践 日本人の英語 (岩波新書)

実践 日本人の英語 (岩波新書)

 

日本語と英語の論理の違いをわかりやすく説明する本書。日本語には日本語の論理があり、英語には英語の論理がある。日本語の論理を英語に当てはめてしまうと、奇妙な英語が出来上がってしまう。

その奇妙な英語がどうして奇妙に聞こえるのかを、在日30年を超える著者が説明する。それも日本人がよく間違えやすい論点が選び抜かれていて、実践的である。そして、分かりやすい。著者の他の本と重複しているところもあるが、気にしない。ちょうどいい復習だ。ちなみに、どうして間違えやすいのかというと、学校でそもそも教えていないからである。

個人的に勉強になったのは、仮定法のwouldの使い方。ありえないときに使い、そして、丁寧な表現としても使われると学校で教わる。だったらありえない確率がありえる確率を少しだけ上回る場合はどうするのかと思うのだが、その答えも本書を読めば分かる。思っていたよりも、wouldは使い道が広いのだ。

さらに、理由を表す接続詞の使い方も勉強になった。ここは特に日本語との違いが際立っていて、難しく感じた。理由だからといって単にbecauseを使えばいいのではなく、ある程度の使い分けも存在するのである。ここでの理由は、皆も知っているだろうからsinceを使おうとか。ここはフォーマルな場面だから、forを使おうとか。ここは因果関係が緊密だから、soだろうとか。ここは緩い因果関係だから、andだ。などといろいろとあるのだ。

他にも本書では、英語を書く際のちょっとした、そしてすぐに実践可能なアドバイスが書かれている。英語を書く機会がない人でも、英語を読む時に違いが出てくると思う。

あとがきにおいて、『日本人の英語』を出して以来の25年で、自身の日本語力は少しは伸びたと謙遜しているが、本書は立派な日本語である。外国人が書いたと言われなければ、誰もそれとは気がつかないだろう。