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本読み

本の感想や書評、本の案内ブログ、かつ自身の読書記録です。1980年生まれ/男

『優しい子よ』

 

優しい子よ (ポプラ文庫)

優しい子よ (ポプラ文庫)

 

著者のことを知ったのは、先崎学のエッセイを読んだ時だ。初めて著者の本を読んだのは、『聖の青春』で、このブログにも書いた。顔も知っていたが、映像を見たことはなかった。それが、先日の電王戦のニコ生に出演されていて、初めて映像を見ることが出来た。なんだか感激した。将棋はそれほど強くないように見えた。

そして、著者と結婚したのが元女流棋士の高橋和である。本書を読む前日ぐらいに、たまたま彼女をYouTubeで見かけた。羽生義治と解説をしていた。とてもいい声だった。その彼女も本書で描かれている。

本書は全部で4つの短編からなる。その最初の短編が書名にもなっている「優しい子よ」だ。この短編がとりわけ素晴らしい。ボロボロ涙をこぼしながら、読む小説だ。

子供というのは存在自体がかわいいのではなくて、その小さな体で頑張る姿がかわいいのだと最近どこかで読んだが、この「優しい子よ」に出てくる少年もまさにそれだ。『12番目の天使』の少年と同じく、本書の少年もまさに天使のようだ。心が洗われたような気がする。比較的きれいな僕の心でさえもがである。

本書は、私小説だそうだが、エッセイと言われればエッセイですねと答えたくなるような気もする。