読書記録(書評・感想)ブログ

本の感想や書評、粗筋、引用を自由に書く読書記録。1980年生まれ。

『おもかげ復元師』

 

おもかげ復元師の震災絵日記 (一般書)

おもかげ復元師の震災絵日記 (一般書)

 

「おくりびと」で話題になった納棺師。著者は、その納棺師です。けれど、通常の納棺師とは違います。著者の納棺は、遺族の要望を聞きながら納棺をする「参加型納棺」なのです。著者の発案のようです。こうすることで大切な人の死を受け入れやすくなるそうです。

著者が経験した納棺の様子が、数多く描かれています。生前の面影を残していない顔を復元していくのですが、元の形からかなり変形をしてしまっていても元に戻すことが出来るようです。復元により、家族は安心し思い切り泣けもするのです。著者は、言います。 

でも、泣くことが、大事。泣けることが、必要です。そのために、復元があるのです。

本書の見所は、顔の復元だけではなく、故人はどんな人だったのかという描写にあります。故人が遺族にとってどんな存在だったのかを知ると、遺族の悲しみが読者にも伝わってきます。そこで、何度か泣きそうになりました。

うちひしがれている遺族に対して優しく接するのも著者の役目です。遺族に対して何度も優しい言葉をかけています。大切な誰かに対して「生前ああしておけばよかった」と後悔をしている人が本書を読めば、著者の言葉に慰められるかもしれません。

また、震災後にボランティアで復元をした様子も記されていて、改めて震災の悲惨さを感じました。