本読み

読書記録。1980年生まれ/男

『傷なめクラブ』

 

傷なめクラブ (幻冬舎文庫)

傷なめクラブ (幻冬舎文庫)

 

本書は、雑誌に連載されていたお悩み相談をまとめたものです。肝心の回答者は、光浦靖子です。寄せられた悩みを光浦が答えていくのがお悩み相談だと思いますが、回答者であるはずの光浦は、質問に対して自分を語り始めてしまいます。それは、それは、気持ちよさそうに語っています。その答えていく中で光浦がどういう人なのかが浮かびあがってきます。(テレビで見るそのまんまですが)

回答者はふざけまくりですが、相談者もふざけているのがこのお悩み相談の特徴です。決して新聞の人生相談には登場しない悩みが続々と登場します。ラジオのリスナーが、はがきを読んでもらおうと必死に書いているような感じといったら伝わるでしょうか。

時には、とても下品な相談内容が寄せられますが、回答者も負けじと下品に答えています。あまりにも下品なので、途中からはそれに慣れてしまったほどです。下品な言葉が出てきても、違和感を感じなくなってくるのです。しかし、下品とは言いながらも、光浦が言うと、その「下品さ加減」が少し緩和されているような気がします。文体のせいでしょうか。

それにしても、これほどネガティブな回答者は初めてみました。人生相談の回答者は、相談者の背中を叩くような前向きなコメントをするのが常ですが、本書にはそういった明るさは一切ありません。しかし、徹底して自分をさらけ出す姿には、芸人根性を感じました。まるで、「私の姿を見て、お前らも頑張れ」と言っているかのようです。脱帽。