読書記録

本の感想や書評、粗筋、引用などの読書記録。1980年生まれ。

心のビタミンになるような:『こころ痛んでたえがたき日に』

 

こころ傷んでたえがたき日に

こころ傷んでたえがたき日に

 

『友がみな我よりえらく見える日は』が良かったので本書を書店で見つけると迷わず購入した。前作同様、多くの悲しく切ない人生を著者が再構築し、22の物語を紡ぎだす。ほとんどの物語は素晴らしく、心のビタミンになるような本である。

不妊カップルの突然の妊娠、、新聞配達を60年続ける人、傲慢な女上司、井之頭公園にいる人たち、男手で3人の子供を育てる人、恋愛下手な男、ジャズ喫茶時代の村上春樹と知り合いの人、クローン病の男性、独身で俳句が唯一の趣味な男性、孫と祖母のファミレスでの会話、ギャンブルで人生を狂わせ街頭で看板持ちをする男、謎の文芸評論家、盲導犬と生きる目の不自由な女性、ある男の日記、電話相談に頼る男性とそこで働く人、娘を殺害された両親、都内で炊き出しに集う人たち、有名人の話、男性を保護する女教師、閉店する古本屋のご主人、著者の両親の介護、今の葛飾区の子供たち。

みんなどこかに影があり、それでもみんな懸命に生きている。前作を読んだときと変わらぬ感想であるのは、本書が前作と同様に素晴らしいということだ。

 下記は前作の感想。

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