読書記録

本の感想や書評、粗筋、引用などの読書記録。1980年生まれ。

『amazon世界最先端の戦略がわかる』

 

amazon 世界最先端の戦略がわかる

amazon 世界最先端の戦略がわかる

 

アマゾンを説明した本で、これほど分かりやすい本はないのではないか。本書は、アマゾンが何をしてるのかやその仕組み、その趣旨を分かりやすく解説する。難しい話を難しく説明するという態度でないのが素晴らしい。先へ先へと読みたくなる本である。

アマゾンに何かしらの動きがあれば、その続編もお願いしたいものである。と言ってもアマゾンはいろいろありすぎて、ファウンダーのジェフ・ベゾスでさえも全ては把握しきれていないのではないかというのが著者の見立てである。

アマゾンは他に類を見ない企業だといい、唯一の比較対象として上げられているのがローマ帝国である。それは、アマゾンがローマ帝国のように兵站、つまり物流を重視しているからだ。顧客に早く商品を届けるための戦略を長期的な視点で持ち、潤沢な資金でそれを実現していく。カスタマーファーストなアマゾンのおかげで、とばっちりを被る企業は多い。そのための手段をアマゾンは選ばないからだ。アマゾンの買収戦略はしたたかというより、残酷である。

緩やかな統治体制をとることもローマ帝国に似ているという。小売りやAWS、金融、マーケットプレイスなど事業は幅広いが、それを各部門で好き勝手にさせているのだという。こうすることで迅速に物事を進めることができるという強みになるのだ。

ちなみに、Amazonの利益の稼ぎ頭はAWSである。これは、サーバーを提供するクラウドサービスのことだ。このサービスでも価格を下げ続けている。いずれはこのAWSが小売りを抜いて最大の事業になるという。

それに伴い電力が必要となれば自社で発電所をつくる。その上、サーバーやルーター半導体も製造し、さらには、CPUまで作る可能性があるといい、まだまだ事業の幅が広がっていくのであろう。先日アマゾンの時価総額は1兆ドルを超えたと報道されていた。本書を読むと、それでもまだまだ発展途上であるように思える。