読書記録

本の感想や書評、粗筋、引用などの読書記録。1980年生まれ。

朝日杯準決勝の藤井羽生戦

明日は朝日杯の準決勝である。世間も注目をしているようだ。羽生竜王と藤井五段の公式戦初対決。既に天下を取った人とこれから天下を取ろうかという人の対決。天才と新たな天才の対決。結果はどうであれ、また内容がどうであれ、この先いつまでも語り継がれる対局。この先10年、20年に渡り、ニコ生やアベマのコメント欄でこの対局が何度も言及されるだろうし、知らなければ「ググレ、カス」などと言われてしまう可能性だってある。そうならないためにも、明日の対局は是非見ておきたい。

羽生の凄さは勝負強いところだと思う。勝負強いとされる他のスポーツ選手等がそれほど勝負強く見えなくなるくらいに羽生は勝負強いと思う。もちろん他の棋士と比較してもである。そうでなければ、トップ棋士を相手にこれほどまでの勝率を残すことはできないと思う。羽生自身も自信の著書の中で認めているように、トップ棋士の実力は拮抗しているという。羽生が対戦する相手はほとんどがそのトップ棋士である。それもここ25年以上に渡ってである。

とりうるタイトルの半数近くを取った羽生は、朝日杯においても出場した半分で優勝をしている。世間を騒がせた藤井君の連勝記録だが、仮に藤井君があの記録を伸ばし続け10年間負けなかったとしても羽生のタイトル数には届かないのだ。15年続いてようやくという感じである。

そして老いてなお最新形で勝負する姿がかっこいい。昔からある形でお茶を濁すことも出来るだろうに、最新形にも精通しているのである。また、居飛車も振り飛車も指しこなす。進化論によれば環境に適したものが生き残るというが、どんな戦法が流行っても羽生は生き残るのではないか。

しかし、盛者必衰も世の常である。スターは次のスターにとって代わられる。中川、谷川、羽生、渡辺と、将棋界も時代時代に天才が現れ、かつての天才も次の天才には勝てなくなりタイトルを失っていった(ただし今のところ羽生は例外)。そして最も新しい天才が藤井五段である。  

誰よりも勝ちまくる男は、誰よりも早く飯を食べ終え、盤の前で一生懸命に考える。一番勝っている人が一番真剣に将棋に取り組んでいるように見える。こんな中学生を応援しないでいられようか。いや、いられない(反語)。

どちらが勝つのかは不明だけれど、勝者は「将棋でした」という内容の対局を期待したい。

もちろん、その後の決勝も見るのがスマートな過ごし方である。もう一方の準決勝が羽生藤井戦と同じ時間帯なのは恨めしい。

 最後に1冊紹介。遅かれ早かれ藤井君も著書を出すのだろう。

決断力 (角川oneテーマ21)

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