読書記録(書評・感想)ブログ

本の感想や書評、粗筋、引用などの読書記録。1980年生まれ。

『笑われる勇気』

 

笑われる勇気

笑われる勇気

 

表紙の写真を見てスティーブ・ジョブズだと思った人はいますか。ほとんど正解ですが、正解は蛭子能収さんです。本書は蛭子さんの人生相談を単行本化したものです。『嫌われる勇気』をもじった書名ですが、冒頭で蛭子さんが述べていることは、そのベストセラーの主張と同じものです。蛭子さんは、アドラー心理学を実践しているようです。

また、オレが大切にしていることは、「人からどう思われるか」ではなく、「自分がどう思うか」。どう思われようが、オレが「ま、いいか」と思っていれば、それでいいんです。

アドラー心理学では、「自由に生きるということは他人に嫌われることだ」と説くように、蛭子さんも自由に生きています。

というか、自由に生きていれば、ひんしゅくは買うものですよ。

こうした蛭子さんの人生相談の回答も、自由です。大好きな競艇の結果次第でその回答のトーンが異なります。ある相談では、「あなたも今大変でしょうけれど、僕もこの前、競艇ですごい負けてしまって、それどころではないんですよ。」というようなことをもらします。

蛭子さんの頭の中は、競艇を筆頭にギャンブルで占められいます。ほとんどの人生相談にギャンブルの話を持ち出します。賭け麻雀をして逮捕された記者会見では、「もうギャンブルは二度とやりません。賭けてもいいです」と言って、ヒンシュクを買ったエピソードが紹介されていました。僕は大好きなエピソードですが、こういうのを笑える世の中からは、どんどん遠くなっている気がします。これでは、せっかくの「笑われる勇気」が、宝の持ち腐れになってしまいます。

ギャンブル好きの旦那に困っている主婦の相談では、蛭子さんはその旦那さんを全力で擁護します。新聞の人生相談ではありえない答えです。

ギャンブルをしている人は、少しでもお金を稼ごうと努力している人なんですよ。遊んでいるのではなくて、パチンコでも競馬でも競艇でも、常にお金を増やそうと頑張っているんです。休みの日に家でゴロゴロせずに、わざわざギャンブル場まで行って、"仕事”をしていると思えばいいんです。

と、どこまでもギャンブルに対しては前向きです。が、この蛭子さん、なんと、競艇では1億円以上も負けているそうです。「Stay hungry, stay foolish」ですね。

賭け麻雀で逮捕された蛭子さんですが、法律は守りたいのだと言い、こう続けます。

なぜなら、自由でいるためには、後ろめたい気持ちにならないことが大事だからです。 

笑える箇所が多い本書で、この言葉には痺れました。確かに、心にもやもやがある内は、心に足かせがあるように思います。

下の2冊がなければ、本書は違う形になっていたはずです。

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

 

 

ペーパーバック版 スティーブ・ジョブズ 1

ペーパーバック版 スティーブ・ジョブズ 1

 

 

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