読書記録

本の感想や書評、粗筋、引用などの読書記録。1980年生まれ。

『残酷すぎる成功法則』

 

残酷すぎる成功法則

残酷すぎる成功法則

 

全米でベストセラーになった本書は、エビデンスに基づく成功法則を紹介しています。一人の成功者に当てはまったことをさも他の人にも通用するかのように説くのではなく、多くのデータの中から統計的に有為と見ることができる事例を紹介していくものです。オカルト的成功法則ではなく、科学的な成功法則と言えます。訳文は読み易く、内容も興味深いため、分厚い本書もサクサクと読み進めることができました。

一般的な成功法則を取り上げそれが本当に事実なのか否かを検証していきます。「いい人は成功できない」や「諦めないことは大事」、「自信こそが大事」といったものは本当かどうかが各章で論じられています。それぞれの答えがイエスとなりそうですが、それほど単純ではないことを本書は教えてくれます。

また、成功法則だけではなく人間にはどういった性質があるのかという知見も得ることができます。私たちの大本の個性はそれほど変化しないことや働く職場の人間に影響されてしまうこと、週55時間以上働くと生産性が劇的に低下することなどが上げられていました。自分に合わない職場では成功からはほど遠く、ブラック企業もしかりです。

本書で言われていた成功法をざっとまとめてみると、以下のような感じになりましょうか。

まずは自分がどういった人なのかを理解し、その上で自分に合う環境を選びます。そして、自分が働いている環境に自分の存在意義を認める物語を作ります。大変な状況に遭遇したらポジティブにつぶやきます(「大丈夫、大丈夫」と自分を励ます)。しんどい作業もそれをゲーム化して楽しみます。不測な事態が起きたときの対応策も準備しておきます。自分が状況をコントロールしていると感じることで、ストレスが減るのです。自信を持つのも大切ですが、自分への思いやりも忘れてはいけません。結果に関しては、最大化ではなく満足化を求めます。

本書の最後で、著者は成功をこう定義しています

成功とは、一つだけの特性の成果ではない。それは、「自分はどんな人間か」と「どんな人間を目指したいか」の二つを加味しつつ、そのバランスを調整することだ。

人生に対する一番の後悔は、「他人の望む人生を生きてしまったこと」だそうです。これは、本書で言う成功とは真逆の生き方です。

最後に、本書で言及されていた私も既読の本を2冊紹介。

内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力

内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力

 
その科学が成功を決める (文春文庫)

その科学が成功を決める (文春文庫)