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本読みのはしくれ

本の感想や書評、本の案内ブログです。このブログは1980年生まれの男によって書かれています(受動態)。

『教養としての仏教入門』

人文・思想の本

 

教養としての仏教入門 身近な17キーワードから学ぶ (幻冬舎新書)

教養としての仏教入門 身近な17キーワードから学ぶ (幻冬舎新書)

 

釈迦と阿弥陀の違いを分からないほど仏教に疎い私を助けてくれた本書。読んでも決して煩悩がなくなる訳ではないが、どんな仏がいて、どんな宗派があり、どんな生き方を仏教が目材していて、どんな所が他の宗教と違うのかが理解できるようになる。本書を読む前に別の新書で仏教の入門書を読んで見たけど、本書の方が分かりやすい。入門書は本書のように分かりやすいものであって欲しい。

本書は仏教を他の宗教との違いを比べることで、仏教と他の宗教との違いを浮き彫りにする。仏教だけでなく他の宗教も学べるという配慮である。

一神教のキリスト教やイスラム教は唯一神を信じる宗教であるが、仏教は悟りを目指す宗教である。一神教の神は絶対であり情け容赦ないが、仏はそれほど絶対視されるものではない。宗派によっては仏を拝まないこともあるくらいに融通が利くそうだ。あくまでもメインは修行なのである。

死んだら天国か地獄かの2択の選択になるのがキリスト教であるが、輪廻転生する仏教では地獄からの復活もあるのである。

また仏のランクの次に位置する菩薩は、キリスト教で言う聖人に値するものと説明される。この菩薩も仏の一種であるように、大乗仏教の日本では多くの仏がいる。不動明王もお地蔵さんも仏である。

日本の仏教は主に4つのセクション分けられる。密教、禅宗、阿弥陀の信仰、法華経の信仰である。この下に、密教ならば天台宗や真言宗といった宗派がある。「ナンマイダー」と唱えるのは阿弥陀の信仰で、これは浄土宗や浄土真宗である。法華経は日蓮宗であるが、これはあの宮沢賢治にも影響を与えている。

本書の最後では『銀河鉄道の夜』がキリスト教の世界をモチーフにしながらも、いかに賢治の頭の中に法華経の思想が根づいていたのかを実証している。

賢治だけではなく他の文学者にも影響を与えている仏教。その基本を知らないとその文学への理解も浅くなってしまうかもしれない。日本人に影響を与える仏教を知っておいて損はない。本書はあくまでも入門書なので、玄人には「釈迦に説法」になる可能性もあるが。