本読み

読書記録。1980年生まれ/男

書名以外は良い:『出口汪の頭がよくなるスーパー読書術』

 

出口汪の頭がよくなるスーパー読書術

出口汪の頭がよくなるスーパー読書術

 

読書を勧める本は多く、私自身も多くのそうした本を読んできた。本書もその内の1冊である。本書は昔の本であり、先ほどAmazonで確認してみると、案の定絶版であった。久しぶりに読み返してみると前とは違った印象を持ったので、それを書き残して置こう。

書名にもなっている(この書名は良くないと思うけれど)、「頭が良くなるスーパー読書術」とは、本から必要な情報を抜き取り、それを反復して記憶し、自在に使いこなせるような回路を頭の中に作ることである。

著者は著名な現代文の予備校講師だ。読むことにかけては一流で、その説明もまた一流である。本を読むことの重要性だけではなく、どのように読むのかという説明まであるのが本書の白眉である。

著者の勧める読み方は、論理的に読むことである。論理的に読むとは、論理を追うことである。論理を追うとは、命題を発見することである。この命題には二つの条件があり、一つは普遍的であること、もう一つは論証責任を追うということだ。

そしてこの論証とは、筋道を立てて説明していくことである。それには二つのパターンがあり、一つは「イコールの関係」で論を展開していくこと。もう一つは、「対立の関係」で対立する命題を論じることである。

要するに筆者の言いたいこと(命題)を押さえたら、残りはそれを補強するための肉付けでしかないということだ。だから、まずはそれを押さえて読んでいけよということだ。

このように読み方の説明もあれば、本を読む効用の言及もある。何度か言われていたのは、「読むことで世界を瑞々しく見ることができる」といった表現である。読めば世界が違って見えるようになるということだ。また、自分と違う価値観や異なる立ち場の人と出会い、多角的な視点を持つことができ、その結果自分の考えを確認できるなど、これまたなるほどなと思わせてくれる。

本書は、私が読書をするきっかけとなった一冊である。書名以外は良いのだ。けれど、書名は少し残念である。だって、この書名が本棚にあったら少し恥ずかしくないか。なので、本書は本棚の奥にこっそりと置いてある。