本読み

本の感想や書評、本の案内ブログ、かつ自身の読書記録です。1980年生まれ/男

驚愕の鳥類学者の比喩:『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』

 

鳥類学者 無謀にも恐竜を語る (生物ミステリー)

鳥類学者 無謀にも恐竜を語る (生物ミステリー)

 

書名にあるように、著者は鳥類学者だ。本書では、その鳥類学者が恐竜について実に楽しそうに語っている。恐竜は絶滅しているので、その骨の化石から恐竜の実態を把握するしかない。鳥類は恐竜の直系の子孫にあたる。とすれば、鳥類学者が、恐竜の理解の一助になるのも頷ける。

序章の「恐竜とは何か」という定義から本書は始まる。1章では「種の概念とは?」という生物学の話から、恐竜の種への話へと進む。そして、その恐竜がどのように鳥へと進化したのかが2章だ。3章は、鳥から恐竜を考える話。4章は、恐竜の生態系の話だ。「あとがき」は、この書名もまんざらではないという話だ。

鳥類学者なのに恐竜への愛も半端ではない著者。恐竜はこうであって欲しいという仮説を立て、それを証明しようとする。鳥類ではこうなっているのだから、恐竜だってこうなっているはずだと、次々に恐竜の実態を暴いていく。この仮説はさすがに無理かもしれないと、諦める清さもあるのだが、逆にそれが他の説の信憑性を高めている。

著者の凄さは、その面白さ。何がなんでも笑わせたい人なのだろう。何度も出てくる比喩には、よくその比喩をひねり出したなと関心してしまう。こういう比喩は思いつくものではない。ひねり出すものだと思う。概して、想像力が豊かな人である。これくらいの想像力がなくては、存在しない生物のことは語りえないのかもしれない。