読書記録(書評・感想)ブログ

本の感想や書評、粗筋、引用を自由に書く読書記録。1980年生まれ。

『日本人が誤解する英語』

 

日本人が誤解する英語 (光文社知恵の森文庫)

日本人が誤解する英語 (光文社知恵の森文庫)

 

著者待望の文庫本です。アメリカ人の著者は、文庫本に対してあこがれを抱いていました。アメリカには文庫本サイズの本がないのです。その文庫本を出版できる嬉しさを冒頭で語っています。確かに文庫本はいいです。読みやすく、値段も安く、無駄にスペースを奪いません。読者にとっては嬉しいのですが、著者が文庫本を出版できて嬉しいと言っているのは、初めて聞いた気がします。

著者はアメリカ人ですが、日本に30年以上も住んでいるので日本語も達者です。本書の他にも多数の英語に関する本を出しています。僕もいくつか読みましたが、どれも日本人が書いた文法書にはない非凡さを感じさせます。

本書でもその非凡さは発揮されていて、痒いところに手の届く感じです。例えば、現在完了と現在完了進行形の違いは、「フィーリングの違いでしかない」と説明します。ここまでの説明ならば、日本人が書いた文法書でも見たことがあります。しかし、著者がすごいのは、この差がどれほどの差であるのかを日本語を例に持ち出して説明していくことです。著者が英語ネイティブであることと、日本語を真摯に学んできたがゆえに、こういうことができるのでしょう。

一番印象に残ったのは、「No more Hiroshima」の誤りを指摘しているところです。この表現のおかしいところは、「Hiroshima」と単数形になっているところです。広島の悲劇は一度起こっています。そこで、「もう2度とこのようなことがあってはならない」と言う為には、「これ以上の広島はだめ、つまり2度以上は駄目だ」と言う必要があり、「Hiroshimas」と複数形にしなくてはいけません。

No moreには「これ以上の~は駄目」という意味があり、これ以上というからには、どんな場合も複数形になるのです(数えられない名詞を除いて)。些細なことに思えるかもしれませんが、こういう繊細なところにまで気を配れる人が語学の上達には必要な気がします。

その他にも、会話に度々出てくるwouldの説明、冠詞の使い方の説明、cosequentlyの使い方など学ぶことが多く、「もっと続けてくれ~」と思いながら読みました。