本読み

本の感想や書評、本の案内ブログ、かつ自身の読書記録です。1980年生まれ/男

『晴れた日は巨大仏を見に』

 

晴れた日は巨大仏を見に (幻冬舎文庫)

晴れた日は巨大仏を見に (幻冬舎文庫)

 

著者が本書で追いかけたものは、日本にある大きな大仏です。大きさは40メートル以上のものばかりです。日本には全部で16個あり、そのうちの15箇所を著者は訪れます。シュールです。

巻頭には巨大仏のカラー写真が掲載されています。どれも違和感があるのですが、落ち込んだ時に眺めたら元気になれそうです。

この本のハイライトは、それぞれのでっかい大仏が姿を現す瞬間だと思います。その現れた瞬間の言葉をいくつか拾ってみますと、

「ひゃあ!」
「おお、やってるやってる」
「や、出ましたね」
「出た!」
「あ、あれですか」
「あ、見えましたよ!」
「これは、デカい!」

どうでしょう。興奮がちょっと伝わってきませんか。結局、このファーストインプレッションが大事なのだと思います。そしてこの第1印象は、周りとの違和感があればあるほどいいのです。「どうしてお前がここに?」という感じが強ければ強いほど、間抜け感もアッパーになり、それに比例して著者の気持ちもアッパーになっています。

本書の大仏めぐりには、編集者が同行しています。その編集者たちの会話がとても面白いので、読んでいて飽きません。誰かと行く旅は、興味の半分が同行している相手になるとどこかで聞きましたが、本書でも実際にそうなっています。大仏そっちのけで、他愛もない話をする姿には癒されます。編集者は二人いて、特に女性の方が強烈です。巨大仏以上に驚かされた感じです。

最後になりますが、この本は書名がいいですね。「晴れた日は」とつけくわえるあたりにセンスを感じます。