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本読みのはしくれ

本の感想や書評、本の案内ブログです。このブログは1980年生まれの男によって書かれています(受動態)。

『アジア新聞屋台村』

ノンフィクション

 

アジア新聞屋台村 (集英社文庫)

アジア新聞屋台村 (集英社文庫)

 

「うちの会社はどうしてこんなにもきっちりとしているのか」と思っている人がいるかもしれません。よく言えば真面目なんだけれど、悪く言えば融通がきかないような会社。そんな会社に勤めている人が本書を読むと、嫉妬を感じるかもしれません。うらやましいな、と。

逆に、「うちの会社はどうしてこんなにもいいかげんなのだろう」と首をかしげている人もいるかもしれません。ルーズさはいいのだけれど、真剣さが欠けるような会社。そんな会社に勤めている人が本書を読むと、安心するかもしれません。うちの会社はけっこうしっかりしているな、と。

 
著者が働いたのは、そんな会社です。「いいかげんさ」が、「売り」なのです。会社のメンバーは多国籍。日本人は、途中まで著者一人。そんないいかげんな会社の中でも著者は奮闘します。その模様がいつもの楽しいタッチで描写されています。

個性的な人がたくさん出てきますが、驚くのは社長の破天荒ぶりです。利益を目の前にしても、それには飛びつきません。目先の利益には飛びつかないという長期的な戦略眼をお持ちなのかとも思いましたが、そうではないようです。

また、社長なのに会議に出たがりません。電話にも出たがりません。しまいには、給料まで払わなくなります。それでも、従業員達は会社に残るのです。 ほんの一部の日本人を除いては。

途中、仕事は自分のために頑張るものなのか、あるいは、組織のために頑張るのがいいのかという問題提起には考えさせられました。

こんな楽しそうな会社はいいなと思いながら読みましたが、仕事についても考えさせられる1冊です。