本読み

読書記録。1980年生まれ/男

『ボナンザVS勝負脳 最強ソフトは人間を超えるか』

 

ボナンザVS勝負脳 ――最強将棋ソフトは人間を超えるか (角川oneテーマ21)

ボナンザVS勝負脳 ――最強将棋ソフトは人間を超えるか (角川oneテーマ21)

 

人間とコンピュータはどちらが将棋が強いのか。本書では、その準備段階から対戦模様までを描き、対戦者どおしの対談も盛り込まれている。その将棋ソフトの名前がボナンザである。なんと覚えにくい名前でしょう。そして、その対戦相手は渡辺明である。覚えやすい名前だ。

この対戦は2007年に行われた。渡辺竜王が勝ったことは知っていたけど、詳しい様子は知らなかった。なので、本書を読んでみたのだが、これが面白い。渡辺竜王が面白いのだ。渡辺は率直に語るという印象を持っていたが、本書でもそのよさがにじみでている。自分を1流棋士と自覚しているのが、言葉の端々から伝わってくる。

 
ボナンザに対しては、冷静に分析をして対局に臨んでいる。ボナンザの実力を将棋倶楽部24でいう、2500くらいだと想定。これならば、大ポカをしなければ大丈夫であると。ただ唯一の心配は当日のボナンザの実力がどれほどなのかということが分からないことだ。当日に対戦するボナンザとは、事前に対局することができないのだ。
 
そして、実際に対戦したボナンザは、想定の範囲を上回るほど力をつけていた。途中までは、なかなかの勝負であった。しかし、終盤でボナンザにミスが出ると、一気に形成は渡辺に傾き、結局そのまま終局。渡辺によると、「ボナンザの実力は一発勝負ならプロに勝つ可能性は十分にあるレベルにはすでに達している」という。
 
こう見ると、もうすぐ人間が負ける日がくると思えるが、その点渡辺はかなり楽観的であり、まだまだその日はこないと考えている。あれからもう5年。今だに、竜王は竜王のままである。