読書記録(書評・感想)ブログ

本の感想や書評、粗筋、引用などの読書記録。1980年生まれ。

『アンネの日記』の映画

 

アンネの日記 [DVD]

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『アンネの日記』は読んだけれど、映画で見るのは初めてである。活字で読むのもいいけれど、映像もまたいい。

隠れ家での息苦しい生活が、映画の場面の全てだ。度々生じる隠れ家の中での衝突。いつ誰かが切れてもおかしくない状況の中で、逃げ場がないという運命が最後の一線を越えることを踏みとどまらせている。この緊迫感は映像の方が活字よりもリアリスティックである。

隠れ家で暮らしていれば、悲観的にもなりそうなものだが、アンネは希望を持って生きる。ペーターに恋もするし、将来の夢だって描く。そして、これほど酷い仕打ちをされているにも関わらず、「こんな世の中でも私は信じているわ。人間は本来は善よ」とどこまでも力強い。

連合軍がノルマンディに上陸するシーンでアンネらは大喜びをするのだが、見ているこちらまで大喜び。もはや一緒に戦っている気分だ。それでもやはり、アンネらは連行されてしまう。なんと悲しい結末。唯一の救いは、アンネの日記が残ったことだろう。この日記が人間の残酷さと高貴さの両極端な面を伝えている。

活字で読むとアンネの卓越した表現力に驚く。10代前半の女の子が書いたとはとても思えない。すごい日記である。 

アンネの日記 (文春文庫)

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