本読み

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『まわり将棋は技術だ先崎学の浮いたり沈んだり2』

 

まわり将棋は技術だ 先崎学の浮いたり沈んだり2

まわり将棋は技術だ 先崎学の浮いたり沈んだり2

 

著者の先崎学はプロの将棋棋士である。羽生や谷川ほどの知名度はないかもしれないが、将棋ファンにはおなじみである。実は、僕が始めて名前を覚えた棋士がこの先崎学である。小学1年生ぐらいのことだったと思う。名前が同じであることがまるで奇跡であるかのように喜んだものだ。

その後、将棋への関心は薄れ先崎学のことを思い出すこともなくなっていた。しかし、何をきっかけにかは覚えていないけれど、25歳くらいの時に再び将棋に興味を持ち始めた。

久しぶりに見る先崎学は、立派な棋士になっていただけではなく、立派なもの書きにもなっていた。本書は、その先崎学が週刊誌に書いていたコラムをまとめたものである。彼のエッセイは何冊か読んでいるけれど、どれも面白い。人生を楽しんでいるのかが伝わってくるのだ。

将棋の話題が多いので、将棋を知らない人がどう感じるのかは分からないけれど、将棋ファン、とりわけプロの将棋に興味がある人は楽しめる内容である。将棋に関心がない人は、これを機に興味を持ってしまったらいいと思う。レベルに関係なく楽しめるのが将棋のいいところ。自分と同じ実力の人と将棋を指すという、かつては実現しにくかったことがネットではあっさりと実現されている。ネットと将棋はワンセットというくらいに相性がいい。

また、本書の内容ゆえに、プロ棋士の人が読んでいる割合は高いのではないか。佐藤康光は先崎のエッセイにおいてからかいの対象になっているのだが、それでも彼はしっかりと読んでいるらしい。そしてその読んでいるという事実も、先崎によって面白おかしく書かれている。

本書に限らず、先崎のエッセイを読むとプロの将棋を見るのがより一層楽しくなると思う。先崎と羽生、あるいは先崎と佐藤の対決なんて見てみたいと思うし、感想戦ではどんな会話をしているのかまで知りたくなる。

それもそのはず、先崎は将棋ファンの普及を願ってこういったエッセイを書いているのだ。そのミッションは達成されているように思う。

他のエッセイも面白い。 

先崎学の浮いたり沈んだり (文春文庫)

先崎学の浮いたり沈んだり (文春文庫)

 

 

先崎学の実況! 盤外戦 (講談社文庫)

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