読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

本読みのはしくれ

本の感想や書評、本の案内ブログです。このブログは1980年生まれの男によって書かれています(受動態)。

『異国トーキョー漂流記』

ノンフィクション

 

異国トーキョー漂流記 (集英社文庫)

異国トーキョー漂流記 (集英社文庫)

 

著者の本を本ブログにおいて紹介するのは4冊目。どれも面白いのだから、書かざるを得ない。著者の本を二つに分けるならば、日本での出来事を書いたものと外国での出来事を書いたものになろう。本書は、国内である。しかし、外国人から見た日本と考えれば本書も外国を綴ったものと言える。東京が「トーキョー」になっているのも納得である。

本書は、著者が外国人との東京での交流を綴ったもの。全部で8編で、それぞれが素晴らしい物語となっている。とりわけ最後の編は印象的。目の見えない外国人から見た東京である。なかなかありえない視点である。

他の著者の本に比べると、著者個人のことが語られる回数が多い。意外にも、著者は大学に入る前は真面目な青年だったという。ところが、このままで行くと退屈な人生になるとの危機感を感じ、舵を切ったというのだ。ナイス選択である。

また、何度か出てきた「素敵な国際人になる」発言。「人間は自分が考えたとおりになる」というようなことを時々耳にするけれど、まさに著者は素敵な国際人となっている。著者自身が国際人なのは確かだが、当時のガールフレンドにまで国際人に育てようとするのだから天晴れである。そしてその手段が、あまりにも強烈である。それでも、笑ってしまうのだ。

著者の本を読むたびに、視野が少しずつ広がっていく。こんな世界があったのかと驚かされてばかりだが、それが著者の本の醍醐味である。