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本読み

本の感想や書評、本の案内ブログ、かつ自身の読書記録です。1980年生まれ/男

『800字を書く力』

 

800字を書く力 (祥伝社新書 102)

800字を書く力 (祥伝社新書 102)

 

序章において重要なことが述べられている。ここだけでも読む価値があるくらい。言葉の持つ重要性についてである。言葉を曖昧に使うと世界まで曖昧に認識してしまうという話である。身に着けている言葉によって表れてくる世界は違うのである。

「800字」という言葉が書名に使われているが、800字は世界の見方を変えることの出来る十分な文字数だと言う。もちろん、短歌だって世界の見方を変えられるという譲歩は忘れていない。

それでは、どうすれば800字を書けるのかというと、「書くと書ける」というあっさりとしたアドバイス。最初の1文を書くと、次の1文が出てくる。そうすれば3文目も書けるというのだ。確かに、書き始めると書くことが浮かんでくることは経験上確かである。そして、これは他の物事にも当てはまることも経験上確かである。何事もやり始めるのが肝心である。

書くのは簡単ですよと読者を説得した上で、魅力的な文章の書き方の説明へと移っていく。ここの所は「魅力的に書くと魅力的に書ける」というアドバイスで済ますわけにもいかず、いろいろと細かく述べられている。文章は、自然に流れるだけでは退屈になるという記述には、はっとさせられる。淀みを作り、読者への期待感が必要なのだという。

終いには、「よく書く」には「よく読む」必要があると話は展開していき、いかに読むべきかという話に移る。途中には、現代文さながらの問題が用意されていて、かなり間違えた僕は嫌な気分になりながら読み進めることになった。

それでも本書にはなるほどなと思わせる記述が多い。実際、この本についてブログに書けるとは思わなかったけれど、「書くと書ける」を信じて書いてみたら、800字くらいは書けた。魅力的かどうかは、また別の話。