本読み

本の感想や書評、本の案内ブログ、かつ自身の読書記録です。1980年生まれ/男

『教養脳を磨く』

 

教養脳を磨く!

教養脳を磨く!

 

林望と茂木健一郎の対談をまとめたものが本書だ。二人ともケンブリッジ大学にいたことがあり、対談の中でしばしばケンブリッジ大学が話題になる。書名に「ケンブリッジ」を入れてもおかしくないくらいにその名前は登場する。「ケンブリッジではこうなっている。一方、日本の大学だとこうなってしまう」という日本の大学への失望が度々繰り返される。日本の大学には褒めるところがないのかしら・・・。

序章は茂木が書いている。10ページくらいの中でニュートン、アインシュタイン、ニーチェ、シェークスピア、孔子といった古今東西の偉人を引き合いに出し教養とは何かを語っている。しかし、無理やり詰め込んだ感じではなく、文章の中で自然にこれらの名前が出てくるので違和感がない。また、「教養とはあこがれであり、全力疾走である」と詩人のように教養を定義する。教養十分という感じ。

序章で教養を覗かせたので、本章では少しトーンダウンをするのかというとそうではない。対談の中でも茂木の勢いは続く。林が「イギリスはおいしい」を2週間で書いたと言うと、

二週間!?漱石が「坊つちやん」を書いたのが十一日間ですから、それと同じくらいですね(笑)。

と、ここで漱石の「坊ちゃん」が飛び出すのだ。2週間の速さに驚くのは分かるけれど、漱石が出てくるとは思わなかった。2週間という早さの驚きは、ここで漱石が出てくることの驚きにかき消されてしまう。「まったくあなたって人は・・・」という感じである。

「教養脳を磨く!」という書名はあまりしっくり来ない。本書ではどうしたら教養を磨けるのかという話がメインではない。本書にあるのは、二人の楽しそうな対談である。時々、かみ合わない対談が本になっていたりするけれど、本書はバッチリかみ合っていた。