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本読み

本の感想や書評、本の案内ブログ、かつ自身の読書記録です。1980年生まれ/男

『一億人の英文法』

 

一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法(東進ブックス)

一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法(東進ブックス)

 

素晴らしい英語の文法書だ。著者は、NHKの教育テレビの英語講座でもおなじみの大西泰斗。英語をシンプルに捉えるのが特徴である。著者の本を読むと、英語は決して複雑なものではないことが分かる。本書でも、バシバシと英語の本質をついてくる。今まで受験用の英文法を習ってきた人は、驚くかもしれない。

本書の対象読者は英語を学ぶ全ての人だ。それでも本書を読み進めるには、中学レベルの英語をある程度理解している必要がある。本書を読んで何も学ぶことがない人は相当の英語力があるはずである。多くの人は必ずどこかで「ほー。そういうことだったのか」と膝を打つと思う。それは、名詞の説明のところかもしれないし、時制の説明のところかもしれない。僕はjustの説明でちょうど膝を打った。

本書は従来の大学受験の英語参考書とはまるで違う。

文型の考え方からして、従来のそれとは違う。高校時代に英語の基本文型は5つと習ったけれど、本書では4つの文型を基本としている。いわゆる第5文型(SVOC)という考え方は、本書には出てこない。SやVという記号すら出てこない。

また、関係代名詞という言葉を使わずに関係代名詞を説明している。先行詞という言葉も出てこない。

さらに、大学受験の参考書では、ただ文法のルールを書いて終わりということになりがちだが、本書はそこから、もう一歩踏み込んでいる。通常の参考書だと、疑問文は主語と述語を倒置するという説明がなされて終わりである。しかし、本書ではなぜ疑問文は倒置をするのかというその理由までもがしっかりと説明されている。

この「なぜそうなるのか」という説明が本書ではふんだんになされている。頭の中が「なぜ?」で満ち溢れている英語学習者にその答えを提示してくれる。英語に興味を持たせつつ、英語というものがどういうものなのかも丁寧に教えてくれるのだ。ありがたい本である。