本読み

本の感想や書評、本の案内ブログ、かつ自身の読書記録です。1980年生まれ/男

『ニッポンの書評』

 

ニッポンの書評 (光文社新書)

ニッポンの書評 (光文社新書)

 

書評集はいくつか読んだことがあるけれど、「書評」について書かれた本は一度も読んだことがない。本書は、その「書評」について書かれた本である。一冊まるまる「書評」について書かれている。

著者は、プロの書評家である。書評に「面白い書評はあっても、正しい書評なんてない」としつつも書評って何だろういうことを考えてみようと、本書は書かれた。

書評と批評の違い。どういうものが書評になりうるのか。文字数から書評を考察。日本の書評と海外の書評の違い。ネタバレ問題について。などと、書評に興味のある人の興味をそそる内容が満載である。

実際に書かれた書評を載せて批評をするので、具体的である。他人が書いた書評だけではなく、著者自らが書いた書評までもがその対象となる。思わずその本を読んでみたくなる書評も載せられている。そういう意味では、本書は書評集の働きもしている。

さらに、新聞に掲載された書評についての採点まである。ある日曜日の新聞の主要6紙に掲載された全書評を全て採点している。ある書評には特Aをつけたり、またある書評には残酷にもDをつけている。これなんかは、具体的を通り越して、生生しい感じである。

本書には、多くの書評に対する考え方が出てくる。これはその通り、それは違うのではと思いながら読み進めることになり、必然的に「書評」について考えさせられる。そして本書を読み終えた後は、「これは読んでみたくなる書評だからAだ」などと、いつもとは違う角度から書評を読んでいるかもしれない。