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本読みのはしくれ

本の感想や書評、本の案内ブログです。このブログは1980年生まれの男によって書かれています(受動態)。

『「イギリス社会」入門』

社会の本

 

「イギリス社会」入門―日本人に伝えたい本当の英国 (NHK出版新書 354)

「イギリス社会」入門―日本人に伝えたい本当の英国 (NHK出版新書 354)

 

イギリスに興味がある。イギリス在住の日本人がイギリス生活について書いた本を何冊か読んだことがある。残念ながらどれもあまり面白くなかった。しかし、本書は面白い。書いているのは日本人ではなく、日本に住んでいたことがあるイギリス人である。アメリカにも住んでいたことがあるそうだ。著者は自分を庶民だと謙遜するが、プロフィールを見るとオックスフォード卒とある。日本で暮らして謙虚の美徳でも身につけたのか。

お茶、パブ、フットボール、階級社会というおなじみのテーマの説明もあれば、ケンブリッジ対オックスフォードのボートレースという日本人にはあまり馴染みのないものの説明もある。

中でも傑作だったのは、留学をしようとする日本人へ送るアドバイスの編である。まるで自分に語りかけてくるかのようなアドバイスをドキドキしながら読んだ。イギリスに留学することはないだろうが、イギリスに旅行に行く可能性ならある。そのときには、この部分をしっかりと読み返すことにしよう。

本書を他のイギリス社会を描いた本と異なるものにしているのは、彼の表現力だと思う。彼が英語で書いて、それを翻訳したものが本書である。日本人が使わない表現が度々出てくる。一体、元の英語ではどうなっているのだろうと気になってくる。元の英語は意外と普通で、翻訳者がぶっ飛んだ翻訳をしていたりして。

ユーモアも多彩である。明らかにそれと分かるときはいいのだが、そうでないときは困る。笑わせようとしているのだろうが、ピンとこない時がある。その時は、少し立ち止まって首を傾げておいた。

冒頭で彼はイギリスについての詳しさには自信がないと言っている。しかし、 読み終わってみると、彼はイギリスについて十分詳しいことが分かった。ここでも著者は謙遜していたのだ。なんと奥ゆかしい人なのだろう。紳士だ。

訳者あとがきでは、朗報が。著者はイギリスだけでなく、アメリカと日本社会についての本も書いているとのことだ。絶対に読むと思う。

「ニッポン社会」入門―英国人記者の抱腹レポート (生活人新書)

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「アメリカ社会」入門―英国人ニューヨークに住む (生活人新書)

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