本読み

読書記録。1980年生まれ/男

『大人になると面白い!古文・漢文』

 

大人になると面白い!学校で習った古文・漢文

大人になると面白い!学校で習った古文・漢文

 

タイトルに偽りなし。裏を返せば、古文や漢文は学生時代では楽しみにくいのではと思う。人生経験が少ないのがその理由だ。僕も学生時代には興味がなかった。現代文こそが国語の授業だと思っていた。しかし日常で生活をしていれば、嫌でも現代の日本語は学べるのだから、古典こそがやるべきものなのかもしれない。本書を読んで古典の良さを感じた。

以前ならば、読んでもピンとこなかったであろうものが、心に響く。

例えば、 「花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに」という百人一首の歌がある。小野小町作である。これを読んで感慨にふける中学生や高校生は少ないのではないか。高校時代に暗記までしたこの歌がこんなにも深いことを言っているとは。現代語訳を引用する。

桜の花は、長雨に打たれて色あせてしまった。同じように、私の人生の春も世を眺めているうちにむなしく過ぎてしまったわ。

この儚さはある程度年をとらないと理解できないのではないか。気がつけばこんなに年を取ってしまい、青春がいかに刹那的なものであるのかに気がつく。青春真っ只中の学生には分かりにくいことである。学生時代は、人生はまだまだこれからだと思っているのだから。これを読んで、青春の短さに気がつく学生でありたかった。

もう一つ、引用。これは、小林一茶の俳句。


露の世は露の世ながらさりながら

現代語訳は、

この世は、露のようにはかないものだということはよくわかっている。わかってはいるのだがやはりあきらめきれないことだ。

これも共感できる。どうせ人間は死んでしまうのだからというなげやりな思いと、だからこそ頑張る必要があるのだという葛藤をうまく謳っているように思う。