本読み

本の感想や書評、本の案内ブログ、かつ自身の読書記録です。1980年生まれ/男

『日本を降りる若者たち』

 

日本を降りる若者たち (講談社現代新書)

日本を降りる若者たち (講談社現代新書)

 

本書は、タイへと引きこもる日本人を追ったルポである。彼らのほとんどは日本の社会に嫌毛がさしてしまい、かつて訪れたことのある微笑の国へと旅立っていく。

日本で稼ぎ、タイではじっとしている。お金が尽きるとまた日本に戻って働き、お金が溜まると再びタイへと戻っていく。なんだかめんどうくさそうにも見えるが、サイドバックが何度もオーバーラップをしても文句を言わないように、彼らもそこには文句がないようだ。 

サイドバックがオーバラップをするインセンティブは、ゴールを決めることや、攻撃に厚みを持たせること、あるいはただ単に攻撃が好き、といったものである。それでは、タイへと引きこもる、彼らのインセンティブは一体何なのであろうか。 

本書を読む限り、それは、「いいかげんさ」である。マイペンライ精神である。日本で感じる息苦しさがないので、タイという国に憧れるのだと思う。タイの「ルーズさ」を著者はこう表している。

暮らしてみるとわかることだが、タイ人という民族は、本当に怠惰な人たちだと思う。なんとか楽をしたいという方法論を、タイで起きている現象やブームに当てはめると、なぜかきれいに解明されてしまうことがある。そんなとき改めて、タイを感じてしまうのだ。

いかに怠惰に生きるかなんて、日本ではなかなか言えないけれど、国によってはそれがスタンダードなのだから面白い。