本読み

読書記録。1980年生まれ/男

『自省録』

 

自省録 (岩波文庫)

自省録 (岩波文庫)

 

"古代ローマの皇帝マルクス・アウレーリウスの箴言を集めたのが本書である。箴言と言っても他人に向けたものではなく、自分を戒めるために書いたものである。「皇帝が自分を戒めるために」と聞くと、それだけでストイックな人だなと思う。もちろん、彼はストア派である。 それでは、気になったものを紹介。 


目標に向かってまっしぐらに走り、わき見するな。

何か青春ドラマの先生が生徒に言うようなセリフだ。確かに余計なことなんかしている暇はない。

くつろぎの時にもまじめであれ。

これでは、くつろげないね。

いったい全体君は物事を受身に経験するために生まれたのか、それとも行動するために生まれたのか。小さな草木や小鳥や蜂や蜘蛛や蜜蜂までがおのがつとめにいそしみ、それぞれ自己の分を果して宇宙の秩序を形作っているのを見ないのか。

これは、消極的な自分への駄目だし。植物でさえ、積極性を見せているというのに、人間であるお前が消極的であることは許されないのだと。ちなみに、この文の中に出てくる「君は」という表現は本書によく出てくる。格調高くて、かっこいい。

もっともよい復讐の方法は自分まで同じような行為をしないことだ。

人の振りみて我が振り直せと。

現在の時を自分への贈物として与えるように心がけるがよい。

過去や未来を気にせずに、現在を大事にしろという主張は、本書で何度も出てくる。英語のpresentには、「現在」という意味と、「贈物」という意味がある。だから、現在はプレゼント(贈物)なのだということを思い出した。

ある人はこう祈る。「あの女と一緒に寝ることができますように」と。ところが君はこう祈るのだ、「あの女と一緒に寝る欲望を持たないことができますように」と。

厳しいねー、ストア派は。

腋臭のある人間に君は腹を立てるのか。息のくさい人間に腹を立てるのか。その人間がどうしたらいいというのだ。彼はそういう口を持っているのだ。またそういう腋をもっているのだ。そういうものからそういうものが発散するのは止めむをえないことではないか。

もはや、悟りの境地。 というように、自分に喝を入れてくるありがたいお言葉が盛りだくさんである。ならば、こちらはあっぱれと言うしかない。