読書記録(書評・感想)ブログ

本の感想や書評、粗筋、引用を自由に書く読書記録。1980年生まれ。

『愛の法則』

 

米原万里の「愛の法則」 (集英社新書 406F)

米原万里の「愛の法則」 (集英社新書 406F)

 

愛の法則に興味があったのではなく、米原万里に興味があったので本書を読んだ。本書は、彼女が行った講演を本にまとめたもの。最近、特に彼女の本をよく読んでいる。当ブログでも3回目の登場である。こういう事情もあって、本の話の中には既に知っているものもあった。と言っても、大部分は初めて聞く話である。

興味深いのは、2章で書かれている「国際化」についてである。日本人の「国際化」の意味するところはおかしいという主張から始まり、国際化と称して英語に熱を上げるのは日本の文化を捨てることになると警告する。また、英語を知っても世界を知ることにはならないと続ける。まるで藤原正彦ようだ。 

日本は、英語に重きを置き過ぎて他の国の文化を疎かにしているという。他の文化も十分魅力的であり学ぶ価値があるという。そこで、英語だけではなく、他の言語もやったらいいと勧める。複眼思考を身に着けるには外国語を学ぶのがいいのだが、英語だけでは不十分という。

さらに、英語の通訳者は面白くない人が多いといい、その分析までしている。英語の通訳者からしてみれば、とばっちりを食った格好である。本書では、どこまでも英語は評価されないのである。ちなみに、米原は英語が苦手だそうだ。

また、英語をやりつつ他の言語も学んだほうが効率的だという。これは、僕もなんとなく考えていた。もちろんある程度の英語力があることが前提だけど、英語を使ってフランス語を学べば、英語とフランス語を同時に学べると思う。

例えば、英語でフランス語の文法の説明を読むとする。「英語ではこれこれが前提になっているが、フランス語の場合はこのようになる」という説明があれば、すごく役立ちそうに思える。日本語で英語を学んでいた時に、日本語について考えさせられたように、英語でフランス語を学べば、いつもとは違った視点から英語について考えさせられるのではないか。