読書記録(書評・感想)ブログ

本の感想や書評、粗筋、引用などの読書記録。1980年生まれ。

『夢を見るために僕は毎朝目覚めるのです』

夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです
著者:村上 春樹
販売元:文藝春秋
(2010-09-29)
販売元:Amazon.co.jp
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村上春樹がインタビューされたものをまとめた本である。インタビュアーは、20人近い。外国の方も含まれている。彼の小説は、ぼちぼち読んでいるのでそれなりに楽しめた。

インタビュー同士のつながりはないので、同じ質問が繰り返されることもある。そして、その質問の答えも同じになる。だから、読んでいるうちに自然に復習が出来てしまう。繰り返されると嫌でも覚えてしまう。別に、この場合嫌ではないのだけれど。 繰り返されることに加え、印象的に残ることも自然に覚えられる。それをここに書き残しておこう。

村上春樹は、『ねじまき鳥クロニクル』でノモンハンの事件を残酷に描写したが、小説を書く前に、現地には足を運ばなかったそうだ。もちろん本などは参照したが、それでもすごい想像力だ。ちなみに小説を書き終えた後にノモンハンに行ったそうだ。手順前後じゃないのかしらと思った。また、『海辺のカフカ』の四国についても同様とのことである。

読者を笑わせたいとも言っている。出来れば10ページに一度くらいは笑いが欲しいと。そのペースで笑わせたら、もはやコメディではないか。

だけど、時々、本当に笑わせてくれるのが彼の小説である。『ノルウェーの森』に突撃隊という面白い奴が出てくる。主人公は、彼女にそいつの話をして、笑わせるのだが、僕はその彼女以上に笑っていたように思う。大爆笑だった。突撃隊が途中でいなくなってからは、何だか物足りない感じすらした。僕の中では、ノルウェーの森=突撃隊という図式が出来上がっている。シリアスの中でこういう突撃隊のようなのがいると楽しめる。

会話を書くのが得意だそうだ。会話の部分は、推敲の時にほとんど直さないという。会話はノリノリで書いていたのだ。ねじ巻鳥で主人公と笠原メイとの井戸での会話は面白い。途中で笠原メイが井戸の蓋をピタッと閉じてしまっても慌てることはない主人公。クール過ぎる。

本書を読んでいて『アンダーグラウンド』を読んでみたいと思った。村上自身、読み返すと涙が出るというのだ。