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本読み

本の感想や書評、本の案内ブログ、かつ自身の読書記録です。1980年生まれ/男

 『中沢佑二 不屈』

 

中澤佑二 不屈

中澤佑二 不屈

 

中沢のことは、好きだ。NHKの「プロフェッショナル」に出演したのも、「徹子の部屋」に出演したのも見た。「プロフェッショナル」の内容は、少し残念だった。「徹子の部屋」は、徹子さんの面白さも手伝って面白かった。そして、本書はその「徹子の部屋」よりもはるかに面白い。

特に1章は、興奮しながら読んだ。国語の教科書に載せてもいいくらいの素晴らしさだと思う。夢を追う少年の背中をバチンバチン叩く内容になっている。

その1章は、中沢がプロになるまでの軌跡が著者によって描かれている。すさまじいのは、高校時代だ。プロになりたい気持ちの強い中沢の執念はすごい。しかし、そのテンションに周りはついてこられない。当然、周りの部員と衝突をすることになる。それでも諦めずに中沢は、プロを目指す。こういう展開は、マンガでは見かけるけれど、実際にいるとは驚いた。当時のストイックさを表す言葉がこれ。

「きびしくなくちゃ練習じゃない」

とにかく、中沢は練習するのだ。その甲斐もあって、中沢はプロになるのだが、サッカー選手としてだけではなく、人間として成長する姿も描かれている。昔は、自分のことしか考えずに、プロになることを夢みていたが、それでは駄目だと気がつき、笑顔を増やして周りと上手くやっていこうとするのだ。だからこそ、教科書にと思うのだ。

また、ドイツワールドカップと南アフリカのワールドカップの当時のチームの様子も描かれている。初めて知るようなことも多く興味深かった。岡田監督と選手との間に対立があったとは知らなかった。中沢から長谷部へのキャプテンの交代もそれに関係していたのだ。ここらへんの記述は、信じがたいものがあった。この辺の経緯は、本書を読むとドキュメンタリーとして楽しめると思う。