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本読みのはしくれ

本の感想や書評、本の案内ブログです。このブログは1980年生まれの男によって書かれています(受動態)。

『単純な脳、複雑な「私」』

科学系の本

単純な脳、複雑な「私」単純な脳、複雑な「私」
著者:池谷裕二
販売元:朝日出版社
(2009-05-08)
販売元:Amazon.co.jp
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本書は、脳研究者が母校の高校生を相手に講義をしたものをまとめたものである。もちろんトピックは、脳についてである。それが、とても興味深い。因果関係は、証明できない。直感とひらめきの違い。自由に選べる場合に、本当に自由といえるのか?などと、なるほどと思わせるものであふれている。

脳はかなり無意識に働いていることの例として、「何かを好きになる」ことを例に出す。そのことを好きな理由を考えても、それはあとから取ってつけた理由でしかないと言う。本当の理由は、自分でも知らないのだそうだ。音楽を好きになる場合でも、その曲を聞いた状況に依存すると言う。また、繰り返し見たり聞いたりするこことでも好きなる傾向もある。確かに、何度もある曲を聞かされているうちに、好きではない曲が好きになることがある。 

下の下の記事に、「Matchbox twenty」の曲が気に入ったと書いたが、あれはシチュエーションが大きいのだなと改めて思った。もし、あの曲をプレゼンの中ではなく、他の場所で聞いていたら、そこまで好きになってはいなかったかもしれない。

本書の「おわりに」のところで、当時は思いいれのなかった母校が、年を経つ内に好きになって言ったと記している。これは、僕も同じように感じることがある。これは、何でだろう?脳のエキスパートからの説明を期待したが、それには触れなかった。年をとることで、「もののあはれ」を感じる感性が強くなったのかもしれない。しかし、この推測も僕の勘違いなんだろうなと思わせるのは、この本を読んだおかげであろう。