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本読みのはしくれ

本の感想や書評、本の案内ブログです。このブログは1980年生まれの男によって書かれています(受動態)。

『座右のニーチェ』

人文・思想の本

 

座右のニーチェ (光文社新書)

座右のニーチェ (光文社新書)

 

ニーチェの「ツァラトゥストラ」を読もうと思ったが、その前にウォーミングアップ。本書を読む前のニーチェのイメージは、「強く生きろ」という感じ。人生を肯定する感じ。元気のない人が傍にいたら、「これでも読んどけ」と言って手渡す本としては、ニーチェがいいのではと思っていた。その先入観はあながち、間違いではなかったと思う。

本書は、ニーチェの「ツァラトゥストラ」の中の言葉をピックアップしてそれを解説するものだ。筆者によると、ニーチェの全体像はつかめなくてもよく、一つのアフォリズム(箴言)を大事にすればいいのだそうだ。

解説がなければ「ツァラトゥストラ」は何を言おうとしているのか分からないと思う。 「わたしが神を信ずるなら、踊ることを知っている神だけを信じるだろう」 とあるけど、これなんかは「なぞなぞ」のようだ。それを解説があるおかげで、何とか理解できる。 

筆者は、途中でニーチェの思想を一言でまとめている。それは、「ちまつくな」ということだそうだ。「ちまつくな」は、筆者の造語で、「物事の大局を見ないで、細かな、ちまちましたばかりあげつらい、他者のやる気を削いでいく行為」のことだそうだ。要するに、視野を広く持ちなさいと言っている。

これは、至る所で言われているし、誰もが一度は耳にしたことがあると思う。ニーチェの主張は、意外と身近なものだ。金八先生だって言っていた。「近くのものばかりを見ていると、近視になってしまうでしょう。もっと遠くを見なさい」と。ニーチェと金八の違いは、言い方の差でしかないわけだ。