本読み

読書記録。1980年生まれ/男

色褪せない:『それから』

 

それから・門 (文春文庫)

それから・門 (文春文庫)

 

漱石三部作の第二部にあたる『それから』。本書の主人公代助は30歳の高等遊民である。学校にも行かず、勉強もせず、働きもせず、一日中家でゴロゴロしている。羨ましいではないか。生活は、親からの援助で成り立っている。今で言う「働いたら負け」を実践しているのだ。実践的なものなどは否定し、役に立たないものこそ尊いなどと屁理屈をこねる。今の世に溢れるビジネス書や自己啓発本なんて噴飯ものであっただろう。

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個人の大切さを知る:『伊藤真の憲法入門』

 

伊藤真の憲法入門[第5版]  講義再現版

伊藤真の憲法入門[第5版] 講義再現版

 

本書は、分かりやすい憲法の入門書。著者は司法試験界のカリスマ、伊藤眞。

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フィリピンにまつわるノンフィクション2冊:『日本を捨てた男たち』『檻の中の闇』

フィリピンに関するノンフィクションを2冊読んだ。 

日本を捨てた男たち フィリピンに生きる「困窮邦人」 (集英社文庫)

日本を捨てた男たち フィリピンに生きる「困窮邦人」 (集英社文庫)

 

本書はフィリピンで記者をする邦人ライターがフィリピンにいる日本人を追ったノンフィクションである。彼らがどうしてフィリピンにやってきたのか、フィリピンでどのように過ごしているのか、日本にいたときの彼らの様子が描写されていく。

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政治に関心を持つための:『学校が教えないほんとうの政治の話』

 

学校が教えないほんとうの政治の話 (ちくまプリマー新書)

学校が教えないほんとうの政治の話 (ちくまプリマー新書)

 

政治に関心が持てないのは、贔屓のチームがないからだと著者はいう。応援するチームがないから盛り上がらないのである。公教育では、特定の政党に肩入れをしていけないというしばりがある以上、限界がある。そこで贔屓のチームを持ってもらおうという趣旨で本書は書かれた。

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やくざの日常を描く:『ヤクザライフ』

 

ヤクザライフ

ヤクザライフ

 

本書はやくざの日常生活を追ったルポタージュである。著者はやくざの取材を専門としているが、組織同士の抗争には関心がなく、関心があるのは彼らの日常生活だという。なので、本書にもそうした抗争や、やくざの組織図などは出てこない。出てくるのは、著者が彼らに密着しそこで見たものや聞いたものである。そして、この密着度合いが飛び抜けているが故に、面白いエピソードであふれている。本来警戒すべき彼らの日常を軽快なタッチで描いている。最後に「落ち」のつく筆の進め方もいい。

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『裁かれた命』

 

裁かれた命 死刑囚から届いた手紙 (講談社文庫)

裁かれた命 死刑囚から届いた手紙 (講談社文庫)

 

本書はある強盗殺人事件を犯した青年が死刑となり、それが果たして本当に死刑に値するものだったのかに追ったノンフィクションである。新潮ドキュメント受賞作であり、素晴らしかった。

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書名以外は良い:『出口汪の頭がよくなるスーパー読書術』

 

出口汪の頭がよくなるスーパー読書術

出口汪の頭がよくなるスーパー読書術

 

読書を勧める本は多く、私自身も多くのそうした本を読んできた。本書もその内の1冊である。本書は昔の本であり、先ほどAmazonで確認してみると、案の定絶版であった。久しぶりに読み返してみると前とは違った印象を持ったので、それを書き残して置こう。

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